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2008/08/05設置
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これは、背後が突然思い立って書き始めた駄文です。
多少のアンオフィシャル、不快に思われるかもしれない表現、…等々が含まれる可能性が有りますので
そういったものが苦手な方は見られないことをお勧めします。

注)このお話はフィクションです。実物とは余り関係ない…はず。

―――――1幕―――――


―――夢


―――そう、これは夢を見ている



そう漠然と思った。

それは、ここがファンタジーのような突拍子も無い世界だった訳では無く、
一筋の光明も何も無い暗闇だった、と言う訳でも又無かった。

―何時もと変わらない部屋―

―何時もと変わらない通学路―

―何時もと変わらない学園―

―何時もと変わらない教室―

―何時もと変わらない仲間達―

何も、そう、たった一つを除いては何も”変わらない”この風景を夢だと思ったのは、
何時も見る―――今まで幾度と無く繰り返し見てきた―――夢の中の情景と全く同じだったからに過ぎなかった。

―――何時からだろう?この夢を見始めたのは

―――何時までだろう?この夢を見続けるのは

そう終らぬ問答を頭の中で繰り返し、私は自分の部屋を出た。

――とこ

―――とこ

――――とこ

今回の夢は朝の風景だろうか、同じく学園へ向かおうとしているのだろう学生達の中を私はただ静かに歩く。

歩き始めて数十分位だろうか、特に”変わったことも無く”歩き続けるとやがて何時もの校門が見えてきた。

校門をくぐり、玄関を通り、何時もの廊下を通り、自分の教室へ
教室へ入る時には、何時も級友とする挨拶を今日はしない、する必要は無い
そのまま自分の席へ黙って向かう。

席へ向かう途中、仲の良い級友と目があった気がした。

―――何も無かったかのように、無視をしてそのまま自分の席へ向かう

席に着き、暫く待つと担任の先生が教室に入ってきた。

――きりーつ!

――れーい!

――ちゃくせーき!

何度も―――それこそ聞かない朝の方が少ないほど―――繰り返されてきた朝礼に欠伸が出る。少し、眠ることにしようか。

―――夢で眠ると言うのもおかしな話だが

そんなことを考えながら、日当たりのいい窓際の席でまどろみに包まれる。

徐々に朝の生徒の点呼をする先生の声が遠くなってくる。
私の名前はカ行、普段ならじきに私の番が来る。
しかし、私はそれには構わず睡魔に流されることにした。

―――どうせ、ここで私の名が呼ばれることなど決して無いだろうに…

…そう、ここでは決して私の名は呼ばれない。
何故なら此処は、”私が存在することの無い”夢なのだから…。


―――――2幕―――――


目が覚めた。
無論、夢の中でだが。

今は授業中のようだった。
黒板の字を見るに、この時間は自習のようだ。

―――何時も思うが、無駄にリアリティがあるな…

夢の中の筈なのに、無駄に自習などと言うイベントを用意しなくてもいいだろうと苦笑いしながら辺りを見回す。

――真面目に自習をする者

―――級友と駄弁っている者

――――居眠りをしている者

そんな”日常”風景。
そんな”変わらない”毎日。

それを私は眺め続けながら、この夢について考える。

―――何故、このような夢を見るのだろう?

―――そもそも、この夢は何なのだろう?

―――何故、私の部屋、座席は存在して、私の名だけ存在しない?

これは、何時もこの夢を見るたびに考えること。
どれだけ疑問を投げかけても、頭を捻ってみても、決して答えは返ってこないけれど。

と、そんなことを考えているうちにまた幾分か時が過ぎ、何時の間にか終礼の時間となっていたようだ。

担任が生徒の名を呼んで行き―――此処でも私の名は呼ばれない―――そして、解散となった。

私の足は自然と結社へ向かっているようだ。
これはこの学園に来てから気付いたことだが、この夢はどうやら私の”日常”をトレースしているらしい。
私の意志とは無関係に、体が勝手に記憶した”日常”を辿っているようだ。

―――この微妙に融通の利かない辺りは夢らしいな

そんなことを考えているうちに、所属している結社が見えてきた。
どうやら他には誰も居ない、今回は私が一番乗りのようだ。
適当なところに腰をかけて、今日は誰が顔を出すのかな?等と考えていると
一人、また一人と人がやって来た。

そうしてここにやってくる皆は、それぞれに思い思いの時を過ごす。
そして私はそれを唯眺めている、眺め続けている。
これも、また何時もと変わらない。



そう”思っていた”。
”今までは”誰と話せなくても、誰に気付かれなくても、誰に私の名を呼ばれなくても、
決して今までと変わらないのだと、そう”思っていた”。

だが、だが何故か今回は

――誰かと話せない事が

―――誰かにも気付かれない事が

――――誰も私を呼んでくれない事が


唯、どうしようもなく”悲しかった”。


――何時からだろう、誰かと話せることが楽しいと思うようになったのは

―――何時からだろう、誰かに気付いて貰えない事が悲しいと思うようになったのは

――――何時からだろう、誰かが私の名を呼んでくれるのを嬉しいと思うようになったのは

怖い。

―寒気がする

怖い怖い。

―声が震える

怖い怖い怖い。

―体が震える

誰か、誰か私に気付いて…。

―どうしようもなくなって蹲る

そして、目を瞑ったところで



夢から醒めた―――


―――――3幕―――――


―――目を開く


―――状況確認


―――完了


「見慣れた天井だ。」

等とボケてみる。



……

………

「顔を洗ってきますか…。」

ちょっと虚しくなって顔を洗おうと腰を浮かべたところで

――唐突に夢の内容を思い出した

「……っ。」

何時もなら、そう何時もなら。
夢のことなど殆ど気にも留めない。
夢は夢、そんなものは気にとめても仕方のないことだと理解しているから。

だが、
そう、だが今日は

――なんて

―――なんて

――――なんて

「―――――なんて無様。」

そう、自分に憤りを覚えていると、ふと何処からか声が聞こえた気がした。



――夢の中で居眠りしたことが?

違う、それはいい
何時もとなんら変わりは無い

――では、寝起きのボケを滑ったことが?

違う、それもいい
…いや、よくは無いがそれもさほど問題ではない

――では何が?

夢の終わり、一人であることに恐怖を覚えてしまった事
誰かと共に在る事を望んでしまった事

――それを貴方は許せない?

ああ

――どうして?

知れた事
私は道化、舞台に立つ者なれど主役に非ず、他者を引き立て、他者を肯定する在り方
他者と交わらず、他者を踏み込ませず、遊具の山に永久に一人
その在り方を選んだ私が、他者との繫がりを求めたことが何より許せない

――嘘ばっかり

嘘じゃないさ

――嘘ですね

どうしてそう言い切れる?

――だって、此処最近の貴方は本当に楽しそうだったから

……

――当っているでしょう?

…そうだな
だが、それは私が求めてはいけなかった物だ

――なら、どうするのです?

今再び、初心を思い返す
他者に踏み込まず、他者に踏み込ませず
周囲に笑顔を、心に壁を

――人は一人では生きては行けないと知っているのに?

知っている、知っていて尚この在り方を選んだ
故に、改めることは無い、改めることは出来ない

――本当に、それでいいと思っているのです?

…思っているさ

――意地っ張りですね

……

――ですが



――ですが、”貴方”は”私”ですから

………

――だから、たとえ貴方の行方が地獄だったとしてもついて行かないといけないのでしょうね

…そうだな

――では、精々”私”が楽しめる様に生きて行く様にしますか

……


そう茶化す声には応えず部屋を出ようとする。
着替えは話している間に既に済ませ、登校の準備は昨夜に終えている。

そろそろ、家を出ないと始業に遅刻するだろう…。
ドアノブを引張りドアを開け、ドアをくぐった耳に又声が聞こえた気がした。

――ですが、その生き方はきっと何時か誰かを酷く傷付けますよ?

…バタン

―――――未だ答えは見つからず―――――
―――――青年は自身の在り方に迷う――――――
―――――その終焉に待つのは天国か地獄か―――――
―――――答えを知るものもまた未だ見付からない―――――



 
―ギシリ―


…………胸の奥から何かが軋んだ音が聞こえた気がした

 
~1章・終了~
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